臨床心理士・公認心理師

心の問題にアプローチする専門家。

相談者の言動を観察し、心理テストを使って心理や性格判定をする。たとえば、精神病患者の心理検査・判定、不登校や通勤拒否、職場の人間関係や家庭内暴力で悩んでいる人などの援助を行う仕事だ。一般的には、カウンセラー、サイコセラピスト、心理判定員などと呼ばれている。

臨床心理士・公認心理師のやりがい

臨床心理学に基づく知識や技術を用いて、心の問題を抱える人を支援するのが臨床心理士の仕事です。例えば精神障がい患者の心理検査・判定のほか、不登校や通勤拒否、職場の人間関係や家庭内暴力で悩んでいる人などに対しても適切な支援を行います。心の問題を抱えた人の支援は多くの時間を要し、結果が見えにくいという面もあるため、粘り強さや忍耐力が求められます。しかし相談者の価値観を尊重しながら支援を実施し、その人のやりたいことを実現できたときは、何物にも代えられないよろこびを感じることができます。

臨床心理士・公認心理師の就職先・働く場所

臨床心理士という仕事の認知度が高まるにつれ、また、平成29年度に公認心理師が国家資格と制定され、職域・職種のバリエーションが広がってきました。主な職域には、医療・保健、教育、福祉、労働・産業などの分野があります。このうち臨床心理士の4割近くが働くのが医療・保健分野で、仕事場所には病院、診療所、精神保健福祉センター、保健所、保健センター、老人保健施設、リハビリテーションセンターなどがあります。高齢化社会を迎えたわが国では、認知症やうつ病などに悩む高齢者の心のケアや、その高齢者を支える家族や介護職への心の支援態勢を充実させるのが急務となっており、臨床心理士の活躍の場はさらに広がる可能性があります。また、国家資格の公認心理師の働く場も拡充されていく見込みです。

臨床心理士・公認心理師の将来の展望

高齢化が進む日本では、高齢者の心のケアや支える家族、あるいは介護職に就く人を支援する態勢の整備が急務です。また、少子化は子育てにかかわる問題を複雑化させており、育児に悩む保護者を支える心理職の活躍の場が急増しています。こうした諸問題に積極的に取り組むため、個人で開業する臨床心理士も増えてきました。また、個人で開業を目指す公認心理師もいます。現代社会において臨床心理士は、さまざまな分野から期待されている職種といえます。

臨床心理士になるには

臨床心理士になるには、日本臨床心理士資格認定協会が実施する資格試験に合格する必要があります。この試験は誰でも受験できるわけではなく、同協会が認可する「指定大学院(第1種・第2種)、または専門職大学院」を修了しなければいけません。大学院によっては心理学部以外の出身者や心理職経験のない社会人を受け入れるところもありますが、まず大学などで心理学の基礎知識を身につけておくと良いでしょう。

出典元:スタディサプリ進路

     

公認心理師になるには

     

・公認心理師資格が必要

公認心理師として働くには、国家試験に合格して公認心理師資格を取得しなくてはなりません。これから新たに大学や大学院に通って資格取得を目指す方の場合、次の3つの受験ルートがあります。

出典元:ジョブメドレー

先生の声

教授に聞く、その資格の活かし方・マーケットニーズ

臨床心理士・公認心理師とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて心の問題にアプローチする、心理専門職の証となる資格です。教育現場や医療現場、企業、福祉施設など活躍の場は多岐に渡りますが、近年増えているのは教育現場でしょうか。平成31年度までに、全公立小・中学校にスクールカウンセラーを配置しようと文部科学省が目標を掲げていますが、現状はまだまだ不足。スクールカウンセラーには臨床心理士・公認心理師の資格が必要となります。

学生の声

在校生に聞く、その資格を目指す理由

幼い頃から人に頼まれると断れず、サポートをすることが多かったんです。手伝いをしたり、相談にのってあげたりする機会がよくありました。自分から積極的に声をかける訳ではないのですが、喜んでくれるのがうれしくて。また保育士を目指して勉強していた姉から心理学の話を聞き、「面白そうだな」と興味を持っていました。そこで大学では、自分の特性と興味が合致する「心理学」を学ぶことに。将来は「臨床心理士」「公認心理師」の資格を取得し、スクールカウンセラーとして教育現場で子どもをサポートする仕事に就きたいと考えています。